環境への取り組みの一環として太陽光発電システムを導入

兼 環境対策室 室長
坂口 博之さま
当社は、地域のお客さまはもちろん、株主の皆さま、さらには取引先や従業員等、当社を取り巻くあらゆる方々にご支持いただく上で、事業に邁進するだけでなく、企業としての社会的責任を果たすことも重要だと認識しています。環境への配慮もその一つです。そのために各店舗で商品包装の使用量削減や照明のLED化、廃棄物の再資源化等に取り組んできました。その一環として、太陽光発電システムの導入も積極的に進めています。
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT) 」※1を利用した電力販売を目的に、2013年から6事業所に太陽光発電設備を設置しました。その後、環境への取り組みに社内の関心が高まるにつれて、自家消費を目的とした太陽光発電システムの導入を本格的に検討するようになり、自社設備として2018年10月、岐阜県のスーパーセンター関店に初めて導入。2019年10月、奈良県のスーパーセンター田原本インター店、11月に本社と3か所の大規模太陽光発電を稼働させています。
さらに、自家消費型の太陽光発電を増やしていくことを考えていた時、関西電力さんから提案されたのが 「太陽光発電オンサイトサービス」 でした。
※1 固定価格買取制度(FIT) : 再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。
契約期間やサービス内容の検討、発電量のシミュレーションで懸念を解消

実はそれ以前にも複数の企業から太陽光発電オンサイトサービスの提案を受けたことはありましたが、導入に至ったことはありませんでした。いずれも当社が満足できるスキームではなかったからです。躊躇する要因になったのが、契約期間が長期にわたること、それに加えて契約期間中、さらには契約満了後にも思いのほかランニングコストがかかることでした。そのため関西電力さんから提案を受けた時にも、当初はお断りするつもりでした。しかし導入のメリットとデメリットを慎重に検討する中で、考えが変わっていきました。
中でも評価した点は、メリットだけを強調するのではなく、当社の懸念や疑問を丁寧に聴き取り、それを解消する方策を提示してくださったことです。懸案であった契約期間やサービス内容についても議論を重ね、当社が納得できるスキームを構築してくださいました。
また太陽光発電の導入を検討している店舗ごとにシミュレーションを行い、見込まれる発電量を明示してくださったことも、安心感につながりました。導入による環境負荷低減の効果と経済的な不安に対する解消策の両方が明確になったことで、経営陣の意向も導入に傾きました。
長期にわたって信頼できるパートナーになれると確信

さらにコストや設備、サービス内容以上に重視したのは、 「信頼できるパートナー」 になり得るかどうかです。関西電力さんとは、これまでもさまざまなサービスやソリューションをご提案いただく中で、互いに忌憚なく話し合える関係を築いてきました。 「関西電力さんとなら10年、20年という長期にわたってパートナーとして協力し合える」 。そう確信できたことが決め手に。こうして当初の方針を一転し、初めて 「太陽光発電オンサイトサービス」 の導入を決めました。
大阪府のスーパーセンター和泉納花店で太陽光発電の稼働を開始したのは、2021年2月のことです。今後、想定通りの発電効果をあげることを期待しています。
関西電力とともにBCPや気候変動問題にも取り組みたい

「太陽光発電オンサイトサービス」 の導入にあたっては、短期的な電力使用量削減効果だけでなく、中長期的により大きな可能性を感じています。その一つが、太陽光発電のBCP(事業継続計画)への活用です。近年、小売業界では、太陽光発電を環境負荷低減に留まらず、災害等の緊急事態への備えとして活用する動きが活発化しています。地域住民の方々のライフラインであるスーパーマーケットを経営する当社にとっても、非常時の事業継続は極めて重要な課題です。今回のオンサイトサービスを足がかりとして、今後関西電力さんと連携しながら、太陽光発電と蓄電池を活用したBCPへの取り組みに発展させていきたいと考えています。
もう一つは、サステイナブル経営の一環としてRE100※2を意識した気候変動問題に取り組んでいく大きな契機となったことです。多くの企業がSDGs(持続可能な開発目標)※3に取り組む等、国際社会の一員として責務を果たすことが求められている今、事業運営電力を100%再生可能エネルギーでまかなうという国際目標、RE100の達成を目指す企業も増えつつあります。当社も、中長期的には太陽光発電による電力供給だけでなくCO2ゼロの再生可能エネルギーを導入し、気候変動問題の課題解決に向けて努力していかなければならないと感じています。そのためには関西電力さんとの協働が欠かせません。今回の 「太陽光発電オンサイトサービス」 の導入が、そうした将来に向けて、関西電力さんと共に踏み出す第一歩になればと考えています。
※2 RE100 : 企業が自らの事業の使用電力を100%再エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ。世界各国や日本国内でも、特に環境負荷の低減に熱心な企業が参加している。 ※3 SDGs : 2015年に国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。
